底辺腐女子の愚痴ブログ

承認欲求にまみれた残念な腐女子の愚痴日記 悪口と文句がほとんど

同人誌を再販したくねぇなって話

Twitterで「同人誌を買えませんでした。欲しい人に行き渡るように発行するのは作者の義務です。再販するか、もしくはできないのならちゃんとWeb再録してくれるんですよね!」という匿名メッセージが届いたということで謎のバズを起こしてました。

まあ当然ながら同人誌を欲しい人に行き渡るように頒布するのは義務でもなんでもないので、匿名メッセージの送り主を批判するメッセージが集まってましたが、同人誌の再販、部数においては思うことがあるのでお気持ち的な文章を書きました。

 

まあ、読み手というかROM専が私のこういうブログを読むかっていう話は置いといて、そもそも、同人誌ってどうやって発行されてるの?という話をしようと思います。

 

私自身ROM歴が長い人間なので、実際に本を刷ってみるまで、作家さんが部数や再販に苦しんでいることの意味がわかりませんでしたし、やはり消費者目線なので再販して欲しいなーと思ってました。さすがに義務ですってメッセージは送ったことないですが。

 

なので、同人誌はどうやって作られてるか的なところを、どれだけアホらしい苦労を重ねているかということをROM側や普段同人誌をつくらない側の人にも多少伝わればいいなと思ってこのブログを書きました。

 

同人誌を作る手順

 

①原稿をつくる

普通に作品を作ります。漫画なり小説なりです。とはいえほとんどの素人さんが表紙データ?PDF?何それ?の状態からスタートしますので、全くわからないものを1から作るって事でそれなりの苦労や失敗があります。Webに作品を上げるのとは違って、ミスを修正できず、間違った状態の本が仕上がって出てくるってことになるので、そこそこ精神的にもプレッシャーがあります。

 

②いい感じの印刷所を調べて依頼する

だいたいイベントの10日前くらいにはもう印刷所に発注をかけ、データを入稿します。この時点で部数を決めます。この部数決めが本当に大変なんですよ。自分が書いた本を何人の人がお金を出して買ってくれるでしょうクイズなんて、誰がどうやっても正解がわからないんですよ。

沢山刷れば刷るほど当然ながらお金がかかります。当然自腹です。誰も補填なんてしてくれません。もしかしたら1冊も売れず全部捨てることになるかもしれない。そんな可能性すらあります。もし手元に本が残ったら、売れずに捨てることになったら、在庫管理より何より自分の心が傷つく。だから売りきって楽しかったねーと言える部数だけを発行したい。そんな気持ちがあります。自分で作った自分の本、別にいっかーの気持ちでサラッと捨てられる人はまあ居ません。

 

③ここまできてやっと販売

この販売にもそれなりの手間がかかっています。即売会なら交通費+旅費。通販なら通販でサイトに登録するなり、委託するなり、そこそこの手間がかかります。やはり企業じゃなくて個人なので、手数料はガッツリ取られます。配送料も結構かかる。

そうやって同人誌を売りきって在庫をはけて、特にトラブルなく終了して、やっと精神的に落ち着けます。やはりある程度の年齢になるとお金の重みがわかりますので、金銭的なトラブルが起こらなくてよかったなの安心感はすごいです。返品や返金が起こらないとは限らないですからね。

 

④そして感想来ない

ここら辺がバキッと心折れるポイントですね。特に1番初めの同人誌を販売した時って沢山感想くるのでは!!という無駄な期待をしがちなんですよね。だってお金を出してくれるくらいのファンなんだから、メッセージくらい送ってくれるでしょって。これが来ないんですね。相互以外来ることはないって思っといた方が精神的にはいいと思います。

 

ということで、素人が本を作って売るって苦労が沢山あるんですよ。再販してくれ、増販してくれって簡単にいうけど、この苦労をもう一回してねって事でしょ? やだやだやりたくない。これが本音です。

 

そもそもとして増販できないことも結構ある

 

印刷所の期間限定のフェアを使ったなど物理的に同じものが作れないことも多々あります。

そして、同人誌の印刷って少部数であればあるほど高いんですよ。最初は50部一気に刷ったから安かった。けど、再販希望は10人しかいないから1冊500円以上高くなる。みたいなことはざらです。そして再販までにも1ヶ月以上かかる。再販して欲しいって言ってくれた人が一ヶ月後にちゃんと買ってくれるかどうかって問題もあります。

また印刷所にお願いして、通販サイトに登録して…ってそもそも手間です。しかもそれが1円にもならない。そもそも同人誌においては1部の壁サークルをのぞいてほぼ赤字であるってことは皆さん知っておいてください。少部数印刷って本当に高いですからね。ええ、1円にもならないんです。本当に趣味なんです。

しかもそこまで苦労して再販したにも関わらず、大抵の人は「再販ありがとうございました」のメッセージすらない。当然、作品素晴らしかったですのメッセージもない。その1冊の再販のためにどれだけ作者が手間暇をかけたかなんて全くわかっていない。企業から、Amazonから物を買った時と同じような気持ちでいる。

 

これが現実です。そもそもROMの人は作者がいるよってことすら意識してない人が居るんじゃないかなって思います。

 

じゃあ、ここまで文句言うならやらなきゃいいじゃん!となるかもしれませんが、さっき言ったようにこれは趣味なんです。自分が楽しむためだけにやっているのです。

 

正確にいうと自分が楽しめる範囲で、自分の手におえる範囲で、楽しく同人誌販売をしたいのです。

買えなかった! 読みたかったのに!!

知らないよ。私は楽しく即売会に出たかったし、仲のいい相互さんや熱心な読み手さんにとりあえず行き渡ったからそれで満足だよ。在庫抱えたくないし、これ以上面倒くさいことしたくないし。お金にもならないし。はい、これが(私の)本音です。

買えなかった! にちゃんと心痛める作家さんもそれなりにいると思います。私はいろんな過去の経験で荒んだので、どうせそんなこと言ってても再販したらありがとうございます!の一言もないんだろと思ってスルーしちゃいますが。

 

同人誌は営利目的でもなく、慈善事業でもなく、ただの趣味ってことを常々思っておいてください。別にやらなくてもいいんです。ただ趣味として自分がやれる範囲だけで楽しくやりたいんです。これが全てです。

 

てか、そんなに本気で読みたいなら、毎度毎度感想送り付けてこいよ!それだけ熱心にやってくれるなら例えROMさんでも認識するし、その人から絶対に買いたいから取り置き欲しいって言われたらするわ! 全力で読みたいなら作者に好かれる努力をしろ!!

という暴言を最後に投げつけておきます。

 

同人誌はお祭りです。一夜限りの、1度限りの楽しい祭りです。だから私は再販はしないし、したくないから完売したらすぐにリンクも外すし、Web再録もしません。なぜなら私がそうしたいから。それ以外に理由はありません。

 

同人誌は所詮素人の趣味。それを常に思っておいて欲しいです。